家族もいろいろ
いろいろな「家族」がいます。法律上のつながりが、ある場合も、ない場合もあります。ひとり親の場合も、親ではなく祖父母等が保護者の場合もあります。離婚した保護者同士が子連れで再婚して、複合家庭の場合もあります。もちろん、誰かがLGBTQの場合もあります。自分の周囲にもいろいろな家族がいると知っておくことが、とても大事です。
私が出産しましたが、「母」として生きていくのがつらくて、今は離婚して、子どもと暮らしています。
レズビアンのカップルですが、ゲイの友人から精子提供を受けて出産しました。戸籍上は産んだ人がシングルマザーですが、実際は3人で協力して育てています。
海外国籍のパートナーと海外で同性結婚し、代理母により子どもを授かりました。今度日本に帰国するのですが、子どもがどんな扱いになるのか心配です。
里親研修を受けて、里子を迎えました。一見フツーの親子と思われるのですが、父親はトランスジェンダーで、女性として生まれています。
アメリカでは2013年時点で11万組以上の同性カップルに子どもがいて、様々な調査がされており、親が同性カップルであることで子どもへの「悪影響」はないと結論づけられています。
おすすめ♥ブックス
「いろいろ いろんな
かぞくの ほん」
著者:メアリ・ホフマン
絵:ロス・アスクィス
訳:杉本 詠美
発行:少年写真新聞社 (2018)
家族に関する制度の基礎知識
血縁や異性間の結婚以外の方法で、「家族」になっている人たちもいます。個人間で契約書をつくり、公正証書や遺言書にする人もいます。制度的にはどんなものがあるのか、ご紹介します。
自治体のパートナー登録
2021年10月11日時点で130の自治体でパートナー登録が可能で、2,277組が登録しています。病院での面会ができるようになったり、公営住宅への入居で家族として扱われたりしますが、民法上の「結婚」ではないため、相続や社会保障上は家族扱いされません。公正証書を要件にしている自治体もあります。
養子縁組
養育する子どもと戸籍上も親子になる「特別養子縁組」は、異性同士で結婚しているカップルにしか認められません。一方で、同性カップルが、結婚の代わりとしてパートナーを養子にすることもありますが、相続等で親族ともめてしまうこともあります。
里親制度
施設等で育つ子に家庭的な環境を、という主旨の里親制度は、シングルの人も、戸籍上同性のカップルも登録可能です。大阪市で同性カップルを里親に認定した実績があり、東京都でも基準が改正されています。
同性結婚・婚姻の平等
世界の30の国・地域(2021年10月時点)で、同性同士でも、異性同士と同じ結婚ができますが、日本ではまだ実現していません。2019年に「結婚の自由をすべての人に」訴訟が始まり、日本弁護士連合会も同性婚を認めるべきと意見書を出しています。日本で同性カップルが子の共同親権を持とうとすると、同性結婚が必要な状況です。