にじいろ子育て手帳

にじいろ子育て手帳 - 「らしさ」や「フツー」にしばられない子育てのヒント

はじめに

もし、⼦どもがLGBTQだったら…

⽇本の⼦育て環境は、無意識の男⼥分けが⾮常に多く、⼦どもがLGBTQ等の性的マイノリティである可能性にほとんど配慮していません。家庭でも学校でも、LGBTQの⼦どもたちは適切な情報提供がされず、孤⽴し、⾃分らしさを否定される経験をしています。

もし、親がLGBTQだったら…

LGBTQの親たちも孤⽴しています。⼦育てを経験しているLGBTQも実際には沢⼭いるのですが、ほとんどの⼈は保育⼠や教職員にもカミングアウトできず、地域社会で「家族」と⾒なされない中で、不安を抱えながら⼦育てしています。

⽇本の⼦育て環境って、おかしくない?

LGBTQではなくても、女の子・男の子、母親・父親としての「らしさ」や「フツー」の決めつけに、モヤモヤしながら子育てをしている人たちがいます。

この「にじいろ子育て手帳」は、認定NPO法人虹色ダイバーシティが株式会社TENGAのチャリティ商品「レインボープライドカップ2018」の売上の一部をご寄付いただいて制作しています。2019年4月〜5月には、株式会社プラップジャパン、にじいろかぞく、社会学者・石田仁さんのご協力を得て、ウェブ上で「にじいろ子育てアンケート」を実施し、その参加者の声をこの手帳に活かしています(いただいたコメントは、プライバシーに配慮して表現を変えています)。アンケートには1,434名の方が参加し、うち、子育て経験のあるLGBTQは125名でした。また、2021年にはNiantic社の従業員ボランティアの方に英訳していただきました。ご協力いただいたすべての方に感謝します。

認定NPO法人 虹⾊ダイバーシティ

子どもたちも、家族も、とても多様です。「らしさ」や「フツー」にとらわれず、楽しく子育てするためのヒントとして、この「にじいろ子育て手帳」を制作しました。子育て中の人、これから子育てをする人、子どもに何らかの形で関わるすべての人に、是非読んでいただきたいと思います。

発刊に寄せて

自分自身が教員でありゲイでもあることをカミングアウトしてから、保護者から「逆カミングアウト」を受けることが多くなりました。子どもだけでなく、実は保護者も多様です。そして学校の先生方も、とっても多様です。 みなさんの話に真剣に耳を傾けてくれる先生が、学校のどこかに必ずいます。校長先生、副校長先生、保健室の先生、学年主任の先生、カウンセラーの先生に声をかけてみてくださいね。

鈴木茂義

1978年 茨城県生まれ。公立小学校非常勤講師、自治体の相談員。オープンリーゲイの教員。専門は特別支援教育や教育相談。